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猫定

ねこさだ

怪談江戸長屋采女ヶ原夫婦因果の決着怖い

賽の目を読む黒猫。主人の留守に、長屋の気配が変わる。

情景

八丁堀の裏長屋。懐の黒猫、賽の音。雨の采女ヶ原。

登場人物

あらすじ

  1. 八丁堀の定吉は、魚屋を名乗りながら博打に明け暮れている。
  2. 処分されかけた黒猫を引き取り、熊と名づける。猫は定吉の懐から、賽の丁半を鳴き分ける。
  3. 勝ち続ける定吉には、いつしか「猫定」のあだ名がつく。
  4. 定吉が旅へ出た留守に、女房のお滝は若い男を引き込む。亭主の帰りが、二人には邪魔になる。
  5. 愛宕下の賭場へ出た夜、熊はなぜか一度も鳴かない。定吉は雨の采女ヶ原を、早足で帰る——。

みどころ

聴くとき

賭場から猫の声が消えたあと。雨音だけが、定吉の帰り道を追う。

結末

  1. 若い男が定吉を刺すと、懐から熊が飛び出す。お滝と若い男は、喉を食い破られて死ぬ。
  2. 通夜で定吉と若い男の遺体が立ち上がる。浪人が動く腰張りを突くと、熊が二人の喉の肉をつかんだまま死んでいる。
  3. 猫が主人の仇を討ったと知れ、両国回向院に猫塚を建てて供養する。

オチ

賽の目を読んだ猫が、最後には人の悪意を読む。勝たせた恩は、命をかけた仇討ちになる。

サゲ

黒猫は二人の喉の肉をつかんだまま、息絶えていた。

長い怪談噺。人物名や細部、猫塚由来の結びには口演差がある。

ほかに