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田能久

たのきゅう

別名 · 棚牡丹 · 田之紀

滑稽噺上方逆転

大蛇と芝居好きの旅人が、山道で互いの話を聞き出す。

情景

伊予と阿波の境の鳥坂峠。芝居道具を抱えた久兵衛と、白髪の老人に化けた大蛇。

登場人物

あらすじ

  1. 芝居好きの久兵衛が山で大蛇に出会い、とっさに「人間ではなく狸だ」と偽る。
  2. 芝居の衣装で女、坊主、石川五右衛門などに化け、大蛇を信用させる。
  3. 怖いものを聞かれた田能久は金だと答え、大蛇は煙草のヤニと柿渋が弱点だと話す。
  4. 山を下りた田能久は村人に弱点を伝え、大蛇退治が始まる。

みどころ

聴くとき

山中で大蛇が田能久に『何が怖い』と尋ねるところ。ここで金とヤニの両方が仕込まれる。

結末

  1. 田能久から弱点を聞いた村人たちが、煙草のヤニと柿渋で大蛇を退治する。
  2. 傷ついた大蛇が夜、田能久の家へ来て『お前のいちばん怖い物を持ってきた』と箱を置く。
  3. 大蛇が去ったあと箱を開けると、中には小判が一万両入っている。

オチ

大蛇に「金が怖い」と口にする。ヤニで退治された大蛇が、いちばん嫌いなものを届ける——箱の一万両。

サゲ

箱を開けると一万両。

別題『棚牡丹』『田之紀』。大蛇の弱点や化ける役、金額には演者差がある。田能久が『金が怖い』と言うのは退治後ではなく、山中で大蛇と互いの弱点を話す場面。

ほかに